マレーシアは国策としてハラル市場の推進に取り組んでおり、政府のサポート体制も充実しています。今回は、ハラル関連の優遇措置についてまとめます。
1.ハラル工業団地に所在するハラル事業者
マレーシア投資開発庁(MIDA)によると、マレーシア国内には22のハラル工業団地があり、42社の多国籍企業を含む約300社がハラル工業団地で操業しています。中でも政府機関であるハラル産業開発株式会社(Halal Development Corporation: HDC)が主導する、Halal Parksは国内14のロケーションに所在するハラル工業団地で、最大規模となります。
ハラル工業団地内にハラル製品を製造する会社を設立する場合、要件を満たせば下記のようなインセンティブを受けることが可能です。
適格資本的支出の100%相当額の免税(10年間) または
輸出売上に対する免税(5年間)
国際品質基準証明(international quality standard certification)取得費の二重控除
ハラル推奨製品の生産に使用する原材料の輸入関税免除
2.ハラル工業団地外でのハラル食品の製造
ハラル工業団地外にハラル食品を製造する会社を設立する場合、または既存の会社が既存設備のアップグレードまたは拡張を行う場合、下記のインセンティブがあります。
適格資本的支出の100%相当額を法定所得の100%まで控除可能(5年間)
3.ハラル物流業者
ハラル物流を行う会社には、下記のようなインセンティブがあります。
課税所得の100%免税 または
適格資本的支出の100%相当額の免税(5年間)
冷蔵設備の輸入関税免除
4.ハラル認証費用
認定された認証機関から会社がハラル認証を取得する場合、その認証費用について税務上、二重控除が認められます。
5.ハラル工業団地(HALMAS)の運営会社
ハラル工業団地の運営会社に対し、下記のようなインセンティブがあります。
課税所得の100%免税(10年間)
適格資本的支出の100%相当額の免税(5年間)
冷蔵設備の輸入関税免除
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