~ジョホール・シンガポール経済特別区(JS-SEZ)~
- Michiyo Okubo
- 1 日前
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マレーシアとシンガポール政府は1月7日、ジョホール州に設立するジョホール・シンガポール経済特別区(JS-SEZ)について合意しました。JS-SEZ優遇税制の申請は2025年1月からMIDA(マレーシア投資開発庁)で受け付けが始まっています。今回はJS-SEZとその優遇税制について概要をまとめます。
1.ジョホール州における経済特区の変遷
ジョホール州では2006年から2025年まで複合開発区「イスカンダル・マレーシア計画(イスカンダル計画)」の開発が進められ、この計画での重点産業は医療と教育、物流、金融、クリエイティブ産業でした。ただ、シンガポールとの給与格差による人材の流出などがネックとなり期待する産業が伸びず、現在の主要産業は不動産と製造業です。JS-SEZ は、イスカンダル計画と共通する部分もありますが、マレーシア政府が主導したイスカンダル計画とは異なり、コスト高と土地不足に悩むシンガポール政府と重点産業を誘致したいマレーシア政府が互いに抱えるそれぞれの課題を解決し、メリットを享受できるよう計画されます。
2.JS-SEZ の概要
JS-SEZ は 9 つのエリアで構成され、各エリアがそれぞれの産業に特化されます。計画によると、 今後5年間で50のプロジェクトと2万人のナレッジワーカーの雇用創出を見込んでいます。

3.JS-SEZ の優遇税制
JS-SEZ の優遇税制は、エリアおよび事業ごとに与えられます。他の優遇税制と同様、法人税では軽減税率、投資税額控除、設備投資に対する加速償却、個人所得税ではナレッジワーカーの所得に対する軽減税率、印紙税の軽減税率などが主なパッケージとなっています。

4.ビジネス環境との相乗効果で新たな主要産業を生む可能性も
今回の優遇税制は既存のものと重複する部分もありますが、税制面だけではなくジョホール州におけるビジネス環境の変化が相乗効果を生む可能性があると期待されています。2026年完成予定のジョホールバルとシンガポールを結ぶ高速輸送システム(RTS)や、既に公表されているQRコードを使った出入国管理の導入、通関手続きのデジタル化など移動と物流のハードルがより低くなり、シンガポールとジョホール州がよりボーダーレスに近づくことで、これまでとは異なる主要産業がジョホール州に生まれ定着する可能性を秘めた計画であると言えます。
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