企業単位での新型コロナウイルスワクチン接種プログラム「官民パートナーシップ産業予防接種プログラム(PIKAS)」が6月16日から開始されました。政府がワクチンを無料で提供し、企業側がその経費を負担することになります。新規感染が工場や従業員宿舎といった職場で多く確認されている中で、PIKASの実施により製造業での感染拡大の押さえ込みに貢献することが期待されています。
1.概要
本プログラムは、製造業の場合貿易産業省(MITI)が、それ外の産業は各担当省庁が調整を行います。製造業では電気・電子製品、食品加工、鉄・鉄鋼、医療機器、石油・ガス・ゴム製品といった重要分野を優先するとしています。
2.実施場所および費用
ワクチンの費用自体は無料です。接種は、地域ごとに設けられる接種会場(vaccine centres (PPV))もしくは企業の工場内での実施(on-site vaccination)に分かれ、企業はワクチン接種のための運営コストまたは接種会場のコストを負担します。従業員一人あたり、接種ごとの費用は下記のとおりです。
3.実施要領
企業の工場内での実施(on-site vaccination)
少なくとも1,000人以上の接種規模で行われる。企業は近隣の企業と合同で接種会場を
設けることができる。グループ会社が合同で設置場所を選定することができるが、州
間移動を伴う場合は原則として認められない。
接種会場は、① Screening, ② Registration, ③ Consultation, ④ Vaccination および
⑤ Monitoringの5つのセクションが設けられるような十分なスペースを確保する必要
がある。事前にワクチンタスクフォース(CITF)と科学技術革新省(MOSTI)によるサイト
の視察が行われ、設置に関するアドバイスと承認を行う。
接種会場での実施(vaccine centres (PPV))
雇用者は、予め申請した日時に登録した従業員を接種会場に行くよう移動手段などの
アレンジを行う。運営費は企業が現地のPPV実施者に直接支払う。
4.申請方法
① 下記サイトよりフォームを入手し申請
② 接種会場、日時の決定
③ 会社はPPV実施者との契約を行い、実施日の5日前までに支払いを行う
④ 接種日には従業員の接種会場までの移動手段を企業負担のうえ提供すること
5.FAQ
Q:PIKASは全従業員への強制となるか
A:強制ではないが、企業は職場での感染発生を防ぐため、従業員への接種を推奨する
Q:従業員の家族もPIKASに参加できるか
A:PIKASは従業員のみのプログラムであり、従業員の家族や知人の参加は認められない
Q:従業員への接種日時の通知について
A:従業員への接種日時は新型コロナ対策アプリ「マイ・セジャテラ(MySejahtera)」を
通じて各人に通知されるため、従業員はアプリで予めワクチンの接種予約登録を完了
している必要がある
Q:接種予定日を変更できるか
A:指定日に接種することを奨励するが、正当な事情で指定日に接種できない場合、1回
限り変更することができる。変更は保健省の電話 1-800-888-828で受け付ける
Q:接種費用を従業員に負担させることはできるか
A:できない。接種費用は企業の負担となる。
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