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マレーシアの個人所得税概要

 マレーシアの個人所得税の申告は、日本と同様、自主申告となっており、e-Filingと呼ばれる電子申告が推奨されています。


 マレーシア法人から支給される給与については、源泉徴収制度が採られており、毎月の給与支払い時に雇用者が源泉徴収を行い、納税を行います。雇用者は、1~12月までに源泉徴収された税額と、その給与額を記載した源泉徴収票(Form EA)を従業員に発行し、個人はこの源泉徴収票をもとに確定申告を行います。日本本社からの給与やその他の所得がある場合、確定申告時に合算し所得税を再計算することになります。


税金の計算方法は「居住者」か「非居住者」で異なります。居住者の場合、下記の計算方法で所得税を計算します。


(課税所得*-所得控除**)× 所得税率(累進税率0~30%)-税額控除*** = 納付すべき個人所得税


〈課税所得* について〉

 課税対象となる所得ですが、マレーシア国外源泉である所得は非課税としていますので、例えば、海外にある不動産から得た収入などは所得に含める必要はありません。しかしながら、給与所得の場合、日本本社で支給される給与はマレーシア国内源泉所得となります。これは、マレーシアで就労している限り、日本で支給される給与もマレーシア国内(現地法人や提携法人)への就労に対する支給とみなされることにあります。技術指導などで提携先に長期出張をされる場合注意が必要です。


 マレーシアの業務と関連する海外出張や、マレーシア国外で勤務していてもそれが国内業務の関連不可分である場合、国内の就労に帰属するとみなされます。また、マレーシア法人の取締役として受け取る役員報酬は、居住の有無にかかわらずマレーシアで課税されます。


 次に現物給与についてですが、赴任者の場合、現物給与は住居や車が一般的ですが、住居の場合、賃貸料の実額もしくは総所得金額の30%のいずれか小さい額が加算されます。家具付きの住居の場合、その現物給与額は別途算定します。車やガソリンの現物給与がある場合は、算出チャートに基づいて算定することになります。


〈所得控除** について〉

所得控除は、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、医療費控除、生命保険料控除など、日本と同様の控除がある一方、「ライフスタイル控除」といって、書籍やスポーツ用品、パソコン・スマートフォン、インターネットやジムの会費などの支払に対して、2,500リンギットを上限に控除することができます。


〈税額控除*** について〉

低所得者層やイスラム寄附金などがあります。


非居住者の場合、国内源泉所得が対象となり、一律30%の税率が適用されます。所得控除や税額控除などの適用はあ納税・申告期限ですが、1~12月の所得について、翌年4月末までの期限となっています。



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