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マレーシア個人所得税の確定申告について(2023年分)

マレーシアでは個人所得税の確定申告シーズンに入りますが、2023年分個人所得税の申告期限は例年と同じ4月30日、電子申告(E-filing:https://ez.hasil.gov.my/)の場合は5月15日となっています。


1. 居住者・非居住者の判定

 申告を行うにあたり、まずマレーシアの滞在日数により自身が居住者か非居住者を判定します。判定基準には下記の4つありますが、その年の滞在が182日以上であるかどうかが大まかな判断基準となります。

居住者・非居住者の判定基準
居住者・非居住者の判定基準

居住者と非居住者では下記のように申告フォーム、所得控除の有無、税率が異なります。

居住者・非居住者の取り扱い
居住者・非居住者の取り扱い

非居住者で下記の場合は免税措置を受けることができます。


a. 暦年の就労日数が60日未満の場合(マレーシア所得税法)

b. マレーシアの滞在期間が183日未満であり、マレーシアの居住者ではない雇用者が給与等を支払い負担している場合(各国とマレーシアの租税条約)


上記b. の場合、自動的に免税となるわけではなく、必要書類を添えて確定申告の提出時に免税申請を行います。


2. 課税収入

 税金は下記のように計算します。


(課税収入-所得控除)× 税率-税額控除 = 所得税額


 課税収入は、マレーシア法人からの給与収入については、マレーシアの雇用者から配布されたフォームEA(源泉徴収票)をベースに作成していきます。その他に、住居や自動車、会社が負担する個人所得税などの現物給与も課税収入に含みます。マレーシアで就労している駐在員が、日本本社から日本の口座に支払われている給与についても、受領時の為替レートを用いてリンギに変換し、課税収入に含めます。


3. 所得控除

 居住者の場合、課税収入から下記のようなものを控除することができます。控除を行う場合、支払ったことを証明するレシート等は保存しておく必要があります。

2023年分個人所得税 主な所得控除一覧:居住者のみ
2023年分個人所得税 主な所得控除一覧:居住者のみ

4. 税率・税額控除

 課税収入から所得控除を差し引いた課税所得に0~30%(居住者の場合)の税率を乗じて税額を計算します。


 昨今では働き方が多様化していることから、いろいろなタイプの収入や国外からも収入を得ていらっしゃる場合があるかと思いますが、収入ごとにその源泉となる国とマレーシアで課税判定を行う必要があります。仮に収入の源泉となる国とマレーシアの両方で課税される場合、同じ所得に対し二重課税になることを排除するため、マレーシアと各国が締結している租税条約を適用し外国税額控除を行うことができます。控除を行う場合、他国で納税したことを証する書類(納税証明書など)をあわせて提出することになります。


5. 留意点

 マレーシアの税務当局が個人所得税の税務調査行う頻度は比較的少ないと思いますが、外国人の場合、帰任等で出国する際に行うタックスクリアランスで税務調査官が過去に遡って内容確認を行うのが一般的です。ご自身で確定申告を行う方も多いと思いますが、証拠となる書類や、居住・非居住を判定するためのマレーシアでの滞在日数(入出国履歴)の保存や記録をお勧めいたします。





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