2024年に入り、法人税に関する規定および運営要領の変更が行われています。
1. 中小企業(Micro, Small and Medium Enterprise:MSME)に関する定義の変更
現在、中小企業の法人税率は下記のとおりで、優遇税率が設けられています。中小企業に該当しない場合の税率は一律24%です。
優遇税率の適用となる現在の中小企業の定義は下記のとおりです。
2024年賦課年度以降、上記の中小企業の定義に変更があり、外国企業もしくは外国人が払込資本金の20%以上を直接または間接的に保有する場合は、中小企業には該当せず一律24%の税率が適用されることになります。
2. 法人税の見積納税に関する変更
会社は、事業年度が開始する30日前までに(例:2025年12月決算期の場合、2024年11月末まで)翌事業年度の法人税額を見積り、その額を事業年度の月数(12ヶ月)除した額を月次見積納税として毎月納付する義務があります。確定申告時において見積納税額と最終納税額が30%超かい離する場合、そのかい離した額の10%がペナルティとして課税されるため、見積納税額を適正に予測することは重要になります。見積納税額は前年度の85%を下回ってはならないとしていますが、当該事業年度中に利益の下方または上方修正がある場合、第6月と第9月目に、当該見積り額を修正することが認められています。
2024年賦課年度以降、上記見積り額修正のタイミングに変更があり、第6月と第9月目に加えて第11月にも見積納税を変更することができます。
上記1の中小企業に対する法人税率の変更については、影響を受ける日系企業が少なからずあるのではないかと思います。上記2に関しては、事業年度終了直前まで見積納税を変更することが可能になり、予期せぬ利益変動による見積納税の過払いやペナルティを避けることが可能になります。これらの変更は会社のキャッシュフローにも影響を与える事項になりますので、本変更点に留意した予算等を組みながら会社の運営を行っていかれることをお勧めいたします。
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